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IMFがWorld Economic Outlook, April 2021を公表しました。今般のCOVID-19パンデミックで世界経済に起こったことについて、体系的にまとめられていますので、内容を要約してお話しています。
COVID-19パンデミック下で世界経済に起こったこと、そしてこれから先に起こる事、今後の経済で留意すべき事等をお話していますので、是非ご覧ください。
世界経済に起こったこと
- コロナショックは産業領域及び経済圏によって、不均衡な悪影響を与えました。いわゆるエッセンシャルな領域(消費財、飲料食料品、インフラ、医療、警察、国防など)やアウトドアサービス以外の、高度の接触を要するサービス関連(”High-Contact, Affected”、レストラン、ホテル、旅客運輸、物理店舗lの小売など)が最も大きな打撃を受け、途上国の経済損失は先進国よりも深刻です。
- 過去のパンデミックや経済危機よりも、経済収縮は急激に起こり、特に”High-Contact, Affected”が深刻な打撃を受けました。また、産業連関における負の波及効果をもたらすと予想されます。
- 中期(向こう3年)の経済的損失は、先進国・途上国でリーマンショック期より少ないが、低所得国ではリーマンショックよりも大きな損失を被ることが予測されています。
- ”High-Contact, Affected”セクターにおける雇用が最も大きく減少し、先進国より途上国の方が深刻です。過去の不況期の平均的特徴(建設業や製造業が最も大きく減少)と異なり、特に小売・卸、ホテル、レストラン、旅客運輸及びエンタメ関連での雇用減少が顕著に見られます。また、これらは自動化されやすい業態として、 パンデミック前からの潮流が加速し、さらなる雇用の減少が見られます。
After コロナの経済について
- 多くの大切な命が失われました。たくさんの方々が職を失い、特に女性や若者、貧困国の人々はより大きな経済的損失を受けています。経済的な格差はグローバルなレベルで今後さらに進行することが予測されます。
- 教育は中断し、学生たちは長期にわたって学校に通うことがかないませんでした。学校閉鎖は社会の人材育成を阻み、社会経済に深い爪痕を残す恐れがあります。
- リーマンショックをはじめ過去の不況期と異なり、企業破綻の数はコロナ禍で減少しました。
- 一方、前例のない規模の財政・金融支援政策により、世界の中央銀行の資産は極端に膨らんでいます。今後、政府及び中央銀行はこれらの膨らんだ資産(不良債権を含む)の処分に悩まされます。コロナ禍の終息と共に、これらの資産の処分とゾンビ企業の支援継続との間で、各国政府は判断を迫られて行く事になります。
やはり、注目すべきは政府及び中央銀行における金融緩和の縮小(テーパリング)でしょう。既にカナダの中央銀行はテーパリングを決定していて、リーマンショック期と異なり経済回復が急激に起こっている現実からすると、欧米各国(特に米国、英国、豪、NZ)では次にテーパリング、金利引き上げ、B/S縮小はもうすぐそこまで来ている可能性があります。
そしてそんな中でワクチンの接種比率が後進国以下の日本では、大変残念ながら経済回復は確実に立ち遅れていくと思います。
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【参考文献】
・International Monetary Fund 『WORLD ECONOMIC OUTLOOK UPDATE』(2021.4)
・UNESCO Website : https://en.unesco.org/covid19/educationresponse#durationschoolclosures
・ International Monetary Fund 『Global Financial Stability Report』 (2021.4)
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